スタッフインタビュー その4  〜はわき〜



山下陶苑についてもっと知るべく、山下陶苑ではわきを担当している朝長さんにインタビューをしました。

いつもニコニコとされており、笑顔の素敵な朝長さん。
普段は鷹揚な人柄ですが、生産ラインの段取りを社内の誰よりも把握されているすごい方なんです。

今回のインタビューでは、そんな朝長さんに、はわきの仕事の内容や注意点、難しさや仕事に関わってみての感想についてお話を伺います。

はわき1

 ※羽のついた機械を回転させてホコリや削り粉を落としています。


【はわきの仕事内容】

――まず初めに、はわきの仕事内容について教えてください。

朝長 素焼き窯から上がってきた生地についたホコリや削り粉などを、空気の出るエアガンや、先端に羽のついた棒を回転させた機械に当てて落とす作業です。また、受注に応じて生地の種類や数量を間違いなくはわく重要な仕事です。

【感想】窯元で働くまで、はわきという作業があることを知りませんでした。絵付けをする前に、ホコリや削り粉をはわいて、生地をきれいにすることで、釉薬や判子が生地に乗りやすくなるんですね。

はわき2

※※エアガンでホコリや削り粉を吹き飛ばいています。

【仕事における注意点】

――はわきをする際に、気を付けることや注意することはありますか?

朝長 まず、エアガンなどではわいた後にホコリや削り粉が生地についていないか再度確認します。
また、多くの種類の生地を一日に数百個はわく必要があるためスピードが必要です。速く作業をしなければいけませんが、割ったり、数量や生地の種類を間違えたりといったミスがないように行わなければならないため、注意が必要です。

【感想】一日のうちの作業量が多く、ミスができない大変な作業なんですね。山下陶苑には、天草・YS・唐津の三種類の生地があるため(成形の記事参照)、その判別をするのも難しそうです。

はわき3

※棒の先についた羽でホコリや削り粉を取り除いています。

【はわきの難しさ】
――はわきの仕事をするにあたって、難しいと思うことはありますか?

朝長 ホコリや削り粉に注意すると同時に、生地の傷も発見しなければいけないことです。

また、器の形によっては、はわく作業が難しいものもあります。急須や土瓶、ポットなど、凹凸が多い器は、エアガンの先端が器に当たって割れることもあり、注意が必要です。 重たい生地を運ぶ時も、体力を使うため、大変だと感じます。
【感想】どんな形の器であっても、きれいにはわかないといけないため難しいんですね。次の作業工程の銘判打ちや絵付けに影響する、大事な作業だと感じました。

はわき4

※ライトを当ててホコリや削り粉が残っていないか再度確認しています。


【仕事に携わってみての感想】

朝長 はわき残しや傷などの見逃しがないように、よく見てはわくことと、一日のうちにできるだけ多く、テンポよくはわくことを両立させないといけないため、難しさを感じます。
また、冬場などの寒い時期は、生地をはわく際にエアガンの風が手に当たって冷たいです。

【感想】筆者もはわきの作業を行ったことがありますが、冬場は風が当たって冷たいですよね。丁寧さとスピードの両方が求められる、難しい作業だと思います。はわきの作業があって初めて、次の絵付けに移れるので、生産の起点のひとつとなる、大事な仕事だと感じました。